2016年11月1日
お金は欲しい。
でも、働くのはイヤ。
そんなことを口にしたら「これだから今の若者は!! 」と、一喝されるでしょう。しかし、仕事をしなくても食べていけるのであれば・・・と考えたことがない人もまた、いないのではないでしょうか?
投資でも、ケチケチ生活でもなく、限られたお金と時間で楽しく暮らすコツをつかめる本を紹介します!
『年収90万円で東京ハッピーライフ』 大原扁理 太田出版
自称・隠居生活を送っている大原扁理の年収は、約90万円。
21世紀の日本に住み、週休5日で暮らしていけるといわれたら、信じられますか? それも東京で。
けれども著者は、1週間に2度ヘルパーの仕事(時々ライターとして、原稿執筆も)をしながら、たしかに、東京でひとり暮らしを楽しんでいるのです。
暖房と冷房を使用せず、時々、道端の雑草を摘んできて食事のたしにしていますが、毎日ミルクティーを淹れ、お茶や味噌は必ず国産を選ぶなどリッチな1面も。
そして私が、もっとも読みごたえがあったのは、作者自身のヒストリーです。
なぜ20代の若さで隠居生活に至ったのか。生い立ちや、少年時代にかけてのお金にまつわる葛藤。社会人としての苦労と挫折。また、海外旅行や読書で得た独特の価値観は、共感するところが多く何度も読み返しました。
お金を使わない生き方だけでなく、スローテンポな人生を選択するための教科書になるかもしれないですよね?!
『節約する人に貧しい人はいない』 中川淳一郎 幻冬舎
この本に出会うまで、節約本といえば悲壮感が漂うものと思っていました。一般的な節約の手段といえば、お風呂の残り湯をトイレを流す水に使ったり、キャベツの芯を微塵切りにしてスープに入れるなど。おいおい、そこまでしないとダメなのか?! と突っ込みたくなる内容ばかり。
ところが、『節約する人に貧しい人はいない』は、メリハリがきいた内容。
たとえば、散髪は1000円カットに限るというと、やはり、かなり切り詰めている印象がありますが、その理由が何とも非凡なのです。
実は、1000円カットの店は、短い時間でたくさんのお客さんを、さばかなくてはいけないため、むしろ通常の店舗よりも腕のよい理容師が多いのだとか!
また、できる男は、時計と靴を見ればわかるなどという、真赤なウソを信じる人ほどお金が貯まらないなど、洞察力の鋭さと、独自の着眼点におもわず目から鱗が落ちましたね。
『お金に強くなる生き方』佐藤優 青春出版社
佐藤優は、外交官としてロシア(ソ連時代を含む)に駐在していました。そこで、社会のトップから底辺まで深く知る機会に恵まれます。というと、人とお金を見きわめる目は確かな反面、挫折を知らないエリートの言葉なんて。と、敬遠してしまうかもしれません。
けれども、某政治家が関わる事件に連座され逮捕され、文字通り、天国から地獄へのジェットコースター状態に追い込まれ、自力で人生を切り抜けた佐藤優の考え方は、どの世代でも、どんな職業についている人にも、本当に参考になります。
お金と人間関係のからくりや、「会社員」と「大金持ち」の矛盾、副業についてなど、幅広く考察しています。
佐藤によると、お酒に酔っても、絶対に財布を落としたり、忘れたりしない方法があるといいます。それは、いったいどんな方法でしょうか、気になりますよね?
外交官ならではの意外な答えを、ぜひ本書で確認してみてくださいね。
きっと、ニンゲンは凄い! と思うはずですから。