2016年9月13日
少し前の話になりますが、英国ロイヤルバレエ団に所属している高田茜さんが、プリンシバル(主役を踊るバレリーナ)に昇格という嬉しいニュースが流れました。
写真を観ると、ほっそりしているけれど、骨ばったところがなく、その、まろやかなスタイルは、さすがバレリーナだと感心したものです。
華奢に見えますが、決して病的には見えない、しなやかな身体つきの秘訣は、どこにあるのでしょうか?
バレリーナだけでなく、歌舞伎の女形、京劇の女性俳優など、肉体を酷使する美のプロフェッショナルを、観察し続けて気がついたことがありました。
ほっそりとした身体つきに見える人には、ある共通した特徴があります。
それは、骨格そのものの細さではなく、肉付きのよさでもありません。ある一定のパーツが、際立っていると、華奢な印象を与えることができるのです。
その箇所こそが、首から胸元にかけてのカーブ。
長い首筋から続く肩のラインが、なだらかなラインを描いていると、あとの部分が多少しっかりしていても、繊細な女性らしい身体つきに見えることです。
ということは、辛い・つらいダイエットを繰り返さなくても、鎖骨のラインを整えると、あのバレリーナ体型も夢ではないのかもしれません。
鎖骨美人になるために、まず大切なのは、肩の力を抜くこと。
ですが、力を入れるのは簡単ですが、抜くのはなかなか大変ですよね。
頭ではわかっていても、具体的にどうすればよいのかがわからないですから。
そこで、おすすめなのは、いったん思いっきり肩に力を入れて、そのあと、ストンと落とす方法です。
息を吸いながら、肩があごにつくほど引き上げて、ふっと息を吐くと、自然に力みがとれます。
その状態を身体に覚えこませると、筋肉のつき方が変わるため、デコルテのラインが整います。
バレエにかぎらず、能(仕舞)や日本舞踊のお稽古でも、きびしく教えこまれるのは、「肩を下げること」です。
肩が下がっていると、首がスッと長く見えて、結果的に細くしなやかなボディーに見えますから。
その上、肩を上げないだけで、姿勢が美しくなり、所作、立ち居振る舞いが洗練されてくるというメリットも。
とくに現在、鎖骨がアルファベットのV字になっていたり、ほとんど見えないという人は、肩が上がっている可能性があるので、ぜひ肩を下げる習慣をつけたいものです。
ただ、日常生活では、肩を下げるという動作は、あまり必要がないのでピンとこないかもしれません。
そこで、肩を下げるという意識ではなく、顔は天に向かいひきあげられるようなイメージで、いっぽう、肩から下の身体全体は、地にひきつけられるような気持ちをもちます。
成功すると、胸元を基点にして、重力が首から上と、首から下でわかれるような感覚になりますよ。
無理をして背筋をのばさなくても、体軸がまっすぐに入るので、それだけでも、繊細な印象に変わるのがうれしいところ。
体重計の上で、こまかい数字に目くじらをたてるよりも、バレエ教室にあるような大きな姿見の前に立ち、鎖骨のラインに気をくばるのが、女性らしい繊細な身体つきになる近道なのかもしれません。
しなやかな鎖骨美人になるために、意識を〈肩〉に持っていってみませんか?